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Channel: ホタルの独り言
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キベリタテハ

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 キベリタテハ(Nymphalis antiopa )は、タテハチョウ科のチョウで、和名にあるように翅表外縁に黄色の太い縁取りがある。翅全体は小豆色でベルベットのような光沢があり、黄色の縁取りの内側には、青色の斑紋が一列に並ぶ。そのシックな色合いから「高原の貴婦人」とも呼ばれている。
 北海道から本州中部(標高約1,000m以上の山岳)以北に生息しており、年1回8~9月頃に発生、成虫で越冬し、翌年4月頃まで見られる。食樹は、カバノキ科のダケカンバやシラカンバ、ヤナギ科のオオバヤナギ等である。成虫は、訪花することはほとんどなく、樹液や腐った果実などに訪れる。

 午前3時に自宅を出発。上信越道東部湯の丸ICで降り、湯の丸高原地蔵峠を超えて、標高1,400mの鹿沢高原(群馬県吾妻郡嬬恋村)に6時到着。気温は11℃。2時間睡眠のふらつく頭に、高原の香りと新鮮な空気が心地よい。目的は、今月の目標であるキベリタテハの撮影である。
 キベリタテハは、特に珍しい種ではないが、先週、先々週と山梨県内では見つけられなかった。鹿沢高原まで行けばいるだろうと勘を頼りに出かけた。日が高くなってくると、あちこちでキベリタテハが飛び始めた。何頭も見かける。貴婦人の名にふさわしく優雅に舞っている。駐車場や行く先の車道にも止まっているが、近づくと、すぐに逃げてしまう。
 どこか良いポイントはないかと白樺林の美しい桟敷山(さじきやま 標高1,915m)の林道を歩くと、崖に岩肌が露出している場所があり、アサギマダラが10頭ほど集団吸水していた。(後日掲載)ここならばキベリタテハもやって来るに違いないと思っていると、案の定、1頭のキベリタテハが飛んできた。時折り羽ばたいては滑空するという飛翔スタイル。私に近づいてきて、私の周りをぐるぐると回る。翅音がすごい。服に止まった。これでは撮れない。しばらくすると、森の中へ飛んで行ってしまった。
 今日は、撮るまで帰らない。覚悟を決めて待つこと3時間。最大のチャンスがやってきた。目の前の岩に止まってミネラル分を吸収しているようである。ゆっくりと近づき撮影。その美しさを堪能することができた。

IMG_2759.jpg

キベリタテハ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 1/160秒 ISO 200(撮影地:群馬県吾妻郡嬬恋村 2012.08.25)

IMG_2760.jpg

キベリタテハ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 200(撮影地:群馬県吾妻郡嬬恋村 2012.08.25)

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キベリタテハ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F9.0 1/160秒 ISO 200(撮影地:群馬県吾妻郡嬬恋村 2012.08.25)

IMG_2762.jpg

キベリタテハ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 200(撮影地:群馬県吾妻郡嬬恋村 2012.08.25)

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キベリタテハ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 1/160秒 ISO 200(撮影地:群馬県吾妻郡嬬恋村 2012.08.25)

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キベリタテハ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F9.0 1/160秒 ISO 200(撮影地:群馬県吾妻郡嬬恋村 2012.08.25)

IMG_2765.jpg

キベリタテハ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/160秒 ISO 200(撮影地:群馬県吾妻郡嬬恋村 2012.08.25)

 キベリタテハを撮影したあと、佐久市の里山に向かい初見のゼフィルスを撮影。(次回掲載)トンボも撮影し15時に撤収。
 負のスパイラルから脱却し、今月の目標をクリア。そして目標以上の成果を収めた満足感と余裕から、帰路は冒険をしてみた。通常ならば、朝とは逆の上信越道から関越、圏央道、中央道を選ぶ。あるいは、清里経由で須玉から中央道でも走行距離は同じ180km。しかし、どちらも渋滞で4時間くらいは覚悟しなければならない。それならばと選んだ道は、しばしば「酷道」などと揶揄される十石峠を越えて、日航機墜落事故のあった上野村を通り、秩父、飯能を経由して国立へ帰る、佐久から自宅まで地図上で直線になる一般道だ。感想は一言。「疲れた。」

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