スジボソヤマキチョウ(Gonepteryx aspasia)は、シロチョウ科のチョウで、近縁種のヤマキチョウ(写真最下段)とは、前翅先端の突起が強く、翅に赤系の縁取りがないことで形態的に区別できる。また、スジボソヤマキチョウは、ヤマキチョウと違って紀伊半島を除く本州と四国に分布し、前種は高原を生息地とするが、本種は高原や林縁、渓流沿いなどである。食樹は、クロツバラの他にクロウメモドキも食べる。生態的にも相違点があり、スジボソヤマキチョウは、ヤマキチョウよりも早い7月に羽化し、しばらく活動後、夏眠する。9月頃になると再び現れ、ヤマキチョウ同様にそのまま成虫で越冬し、春に産卵し、5月頃まで生き続けるのである。湿った場所で越冬すると言われ、越冬後にできる翅の裏にシミはそのためと考えられている。
スジボソヤマキチョウは、環境省RDBカテゴリのリストにもなく、長野県や栃木県等では、比較的多くみられるが、多くの県で絶滅危惧Ⅰ類や準絶滅危惧種に指定しており、近年、減少傾向にあるチョウである。
22日、スジボソヤマキチョウを求めて山梨県の富士山麓2か所を探索するが、午前11時まで待ってもその姿を見ることができなかった。3カ所目に移動し、歩き始めるとすぐにスジボソヤマキチョウが飛ぶ姿を発見。後を追いかけると林縁のアザミで吸蜜しており、撮影することができた。しばらくすると飛び立って、草むらの根元付近で休息。飛んでいなければ、見つけることはできない。
スジボソヤマキチョウは、初見初撮影の種で、当ブログのリスト「鱗翅目」で109種類目となる。

スジボソヤマキチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 200(撮影地:山梨県山中湖村 2013.09.22)

スジボソヤマキチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 320(撮影地:山梨県山中湖村 2013.09.22)

スジボソヤマキチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 400(撮影地:山梨県山中湖村 2013.09.22)

スジボソヤマキチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 200(撮影地:山梨県山中湖村 2013.09.22)

ヤマキチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 500 +1EV(撮影地:山梨県富士河口湖町 2013.08.27)
2週連続での3連休であるが、今週は初日の土曜日が出勤であったため、2連休。ただし、先週と違って天気が良く、22日は5時に出発して山梨県の富士山麓と神奈川県の相模原、 23日は、やはり5時に出発して長野県まで遠征。両日ともに目的を果たせた良い休日となった。
