中綱湖のオオヤマザクラは、2013年に「中綱湖の桜」として掲載(2015.5.4に1枚目を現像し直して差替え)しているが、その時は、花付きは良かったにも関わらず湖面が波立っており、水鏡に映る姿を撮影できなかった。そこで今回、和歌山と長野という大遠征の締めくくりとして再挑戦を試みた。
白馬村の貞麟寺で夜桜を撮った後、中綱湖に移動して車中泊。以前よりも撮影者が少ない。夜が明けて、その理由が判明した。見頃が少し過ぎていたのである。4月29日がちょうど良い感じだったらしい。オオヤマザクラは、花弁が少しでも散れば葉が目立つため、桃色が冴えない。しかし、今回は湖面が静かだ。新緑も加わった豊かな色彩を映す水鏡は、極上の美しさである。桜がダメでも、この美しさに感動し真剣勝負で臨んだ。表題も、桜ではなく水鏡とした。
中綱湖という有名な撮影ポイントでは、満開のオオヤマザクラと水鏡は必要最低条件で、これにプラスαの要素を加わえることが大切だ。しかしながら、前回も今回もプラスαどころか、それぞれ必須条件の1つしか満たせなかった。遠方の週末カメラマンには、なかなかタイミングが難しいが、それを言っていたら、いつまでたっても観光写真しか撮れない。今回のように「水鏡」が美しいという感動があれば、その感動の一瞬を収めようと色々と努力し、その行為は楽しくもあり興奮もする。しかしながら、最後は「写真」という結果(作品)が評価される。
この場所に限らず、有名な撮影ポイントで撮るならば、必須条件にプラスαの要素を加えられるように、イメージトレーニングを行うとともに、事前の情報収集とロケハンが大切だと痛感した。その場所を良く知る方々からも「これは、すごい!」と言われなければ「作品」ではない。
もっと大切な事は、有名景勝地の風景を撮るだけではなく、自分だけの自然風景を見つけて、誰もが美しいと思う、その最上の瞬間を撮ることだ。
このGWは、和歌山、長野、最後に千葉の房総に行ったが、結果は、夜桜と中綱湖の写真のみで終了。昆虫の観察と写真撮影は、5月末からが本格始動なので、それまでは、新緑をテーマにオンリーワンの作品が撮れるよう、ロケハンをしながら感性を磨きたいと思う。誰の写真(作品)よりも美しい光景を撮りたい、これが私の原動力になっている。

中綱湖と桜
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 30秒 ISO 100(撮影地:長野県白馬村 2015.5.3 4:30)

中綱湖と桜
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 0.4秒 ISO 100 -1/3EV CPLフィルター使用(撮影地:長野県白馬村 2015.5.3 5:17)

中綱湖と桜
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 0.3秒 ISO 100 CPLフィルター使用(撮影地:長野県白馬村 2015.5.3 5:27)

中綱湖と桜
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1.6秒 ISO 100(撮影地:長野県白馬村 2015.5.3 4:49)