今年、最後のゼフィルスを求めて、静岡県の愛鷹山へ向かった。目標は、キリシマミドリシジミである。キリシマミドリシジミ(Thermozephyrus ataxus)は、神奈川県や静岡県などの東海地方、近畿地方では鈴鹿山脈、 四国・九州・屋久島に生息する暖帯・山地性ゼフィルスの一種である。他のゼフィルスと異なり、7月中旬から8月上旬に発生し、食樹であるアカガシの梢を飛びまわる。
キリシマミドリシジミの活動時刻は午前9時頃からと聞いていたが、天気がよく気温が高ければ時間が早まると思い、午前6時に現地入り。カメラをセットし、アカガシを見上げる。しばらくすると、遥か上方でキラキラと輝く姿。まぎれもなく、キリシマミドリシジミである。 30分に1回くらいの割合で姿を見せるが、すぐに梢の中に消えてしまう。結局、数頭が飛びまわり始めたのは、午前9時頃からであった。
高さ10mもあるアカガシの大木の高い梢を非常に高速で飛びまわる。日の光に翅裏の白と翅表の金緑色が輝く。まるで飛ぶ宝石である。渓谷を挟んだ対岸の小高い場所に三脚を据えて狙うが、アカガシまでの距離は8~10m。時折り、葉の先に止まるが、300mmレンズでは小さくしか写らない。トリミングなしが下の写真である。中央にキリシマミドリシジミが写っている。

キリシマミドリシジミ
Canon EOS 7D / EF100-300mm f/4.5-5.6 USM
絞り優先AE F11 1/400秒 ISO 3200 ストロボ使用(撮影地:静岡県駿東郡 2012.08.05)
以下の写真は、300mmで撮影したものをトリミングしたもの。安価なレンズで撮った画像の一部分を拡大してあるので、証拠程度の写真になってしまった。解像度の高い500mm超の望遠レンズであれば、もう少し、綺麗に撮れるかもしれない。撮影難易度の非常に高いこのキリシマミドリシジミにどう立ち向かうか。来年の課題である。

キリシマミドリシジミ
Canon EOS 7D / EF100-300mm f/4.5-5.6 USM
絞り優先AE F16 1/400秒 ISO 3200 トリミング(撮影地:静岡県駿東郡 2012.08.05)

キリシマミドリシジミ
Canon EOS 7D / EF100-300mm f/4.5-5.6 USM
絞り優先AE F11 1/500秒 ISO 3200 トリミング(撮影地:静岡県駿東郡 2012.08.05)

キリシマミドリシジミ
Canon EOS 7D / EF100-300mm f/4.5-5.6 USM
絞り優先AE F11 1/200秒 ISO 3200 トリミング(撮影地:静岡県駿東郡 2012.08.05)

キリシマミドリシジミ
Canon EOS 7D / EF100-300mm f/4.5-5.6 USM
絞り優先AE F11 1/320秒 ISO 3200 トリミング(撮影地:静岡県駿東郡 2012.08.05)

キリシマミドリシジミ
Canon EOS 7D / EF100-300mm f/4.5-5.6 USM
絞り優先AE F11 1/320秒 ISO 3200 トリミング(撮影地:静岡県駿東郡 2012.08.05)

キリシマミドリシジミ
Canon EOS 7D / EF100-300mm f/4.5-5.6 USM
絞り優先AE F11 1/250秒 ISO 3200 トリミング(撮影地:静岡県駿東郡 2012.08.05)
