ミヤマシロチョウ(Aporia Hippia japonica)は、シロチョウ科に分類されるチョウで、本州中部亜高山帯の標高1,400~2,000mの範囲のみに分布する高山蝶で、減少が著しく、生息地は北アルプス、八ヶ岳、浅間山系等の一部とたいへん局地的である。7月~8月に渓流沿いや山腹の崩壊斜面及び明るい疎林で羽化し、各種の花で吸蜜が見られる。幼虫の食樹及び成虫の産卵場所はヒロハノヘビノボラズやメギで、幼虫は集団で生活を行い共同の巣を作り越冬し、翌春、再度、集団で生活を行い大きな共同の巣を作り、6月中旬に蛹となり20日程で羽化する。
13日(土)、長野県の乗鞍高原から移動し、東御市と群馬県嬬恋村にまたがる湯の丸高原にミヤマシロチョウを求めて訪れた。一昨年は(参照:湯の丸山の花と蝶)、湯の丸山(標高2101m)に徒歩で登ったにも関わらず、ミヤマシロチョウは一目見ただけで撮影できなかった。今回は、駐車場近くからリフトでつつじ平(標高約1,800m)まで行くことにした。山頂まで登らなくても、昨年あたりから、つつじ平での発生数が多くなり、今年は昨年の6倍以上の発生数が予想されているという。つつじ平に到着すると、時期的にはまだ早いと思われたが、それでもあちらこちらでミヤマシロチョウが飛んでいた。スジグロシロチョウに似て、小さいのかと思っていたが、実際は、翅を広げた大きさが5cmほどでスジグロシロチョウの2倍弱。高原の風に乗り、優雅に舞っていた。後を追いかけながら、止まったところを撮影。
保護活動の成果で比較的増殖傾向にあるが、依然、絶滅危惧Ⅰ類(長野県)、絶滅危惧II類(環境省)というチョウであり、長野県と群馬県、山梨県では、本種を天然記念物に指定している。長野県では、特別指定希少野生動植物にも指定している。減少の原因は、生息環境の悪化や破壊、採集者による乱獲等だ。現在でも、違法な採集が継続的に行われているようである。
ミヤマシロチョウは、初見初撮影の種で、当ブログのリスト「鱗翅目」で102種類目となる。

ミヤマシロチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 320 +2/3EV(撮影地:群馬県嬬恋村 2013.07.13)

ミヤマシロチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400 +2/3EV(撮影地:群馬県嬬恋村 2013.07.13)

ミヤマシロチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 320 +2/3EV(撮影地:群馬県嬬恋村 2013.07.13)

ミヤマシロチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 250 +2/3EV(撮影地:群馬県嬬恋村 2013.07.13)

ミヤマシロチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 320 +2/3EV(撮影地:群馬県嬬恋村 2013.07.13)
