キバネツノトンボ(Ascaraphus ramburi)は、アミメカゲロウ目ツノトンボ科で、トンボではなく、ウスバカゲロウの仲間。
環境省RDBには記載されていないが、14の都府県のRDBに記載があり、ほとんどが絶滅危惧Ⅰ類として分類され、東京都では「絶滅」としている。草原を生息場所としているために、草原の減少とともに絶滅が危惧されている昆虫である。
2011年6月に長野県佐久市で撮影しキバネツノトンボとして紹介しているが、この時の写真はすべて、尾端部にかぎ状の突起があるオスであり(写真:最下段)、今回は、偶然に山梨県北杜市でメスを撮影したので掲載する。
キバネツノトンボは、長い触角と大きな複眼、そして独特の黒と黄色の組み合わせが特徴的で、愛嬌もありながらグロテスクさも感じさせる。
ツノトンボ科には、他に「ツノトンボ」と「オオツノトンボ」の2種類がいるが、こちらも長い触角と大きな複眼が特徴であるが、翅は「ウスバカゲロウ」のように、細くて長いパラフィン紙の様であり、翅をバタつかせながら弱々しく飛ぶ。しかしながら、キバネツノトンボは、猛スピードで直線的に飛び、急に向きを変えたりする。トンボのようなホバリングはしないが、速度も自在に変化させる高い飛翔能力を持っている。

キバネツノトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F3.5 1/8000秒 ISO 6400(撮影地:山梨県北杜市明野町 2014.6.14)

キバネツノトンボ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F8.0 1/8000秒 ISO 6400(撮影地:山梨県北杜市明野町 2014.6.14)

キバネツノトンボ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 320 +2/3EV (撮影地:長野県佐久市 2011.6.4)